INDEX 05 — BNF COLUMNS

AI活用ノウハウ

PDF不要。Webで完結する実践的なAI活用ノウハウ集です。
基礎からセキュリティ、業務への応用まで解説します。

GA4とサーチコンソールをMCPで接続する

AIエージェントにGoogle Analytics (GA4) とSearch ConsoleのAPIを直接接続し、ブラウザを開くことなく対話だけでサイトのアクセス解析やSEO検索クエリ分析を完遂させる自律的MCP連携の構築手順を解説します。

はじめに:画面を開かずにサイトを分析する

従来のGoogle Analytics (GA4) やGoogle Search Consoleの管理画面は設定項目やグラフが複雑であり、特定の数値や改善データにたどり着くまでに多くの画面遷移が必要でした。 解析業務の心理的ハードルが高くなり、サイトのデータを確認すること自体が疎かになってしまうケースは少なくありません。
もし、普段お使いのなど)にこれらの解析ツールを直接接続できたらどうでしょうか。 「昨日のアクセス急増の要因はどこにある?」「検索順位は高いのにPVが少ないページはある?」と対話で質問するだけで、AIが自律的にを叩いてデータを統合分析し、レポートを作成してくれるようになります。
この連携を構築することには、主に3つの大きなメリットがあります。
1つ目は、解析画面を開く手間が完全にゼロになり、使い慣れたチャットUIだけでサイト分析が完結する点です。 2つ目は、PV数(GA4)と検索クエリ(サーチコンソール)という別々のツールに分散したデータを、AIが横断的にマージして立体的な分析を自動で行ってくれる点です。 そして3つ目は、専門知識がなくても、数値の羅列から具体的な改善アクション(構成案や修正文など)を一瞬で導き出せる点です。
本コラムでは、サービスアカウントを利用してGA4とサーチコンソールをMCPエージェントに接続する具体的な手順と、最小構成のコード例を解説します。

全体アーキテクチャと連携フロー

USER INTERACTION

人間からの一言の指示

「tek.jpの今日のアクセスはどこから来ている?どんなクエリで流入しているか統合分析して」

AI AGENT (BRAIN)

AIエージェント

指示を理解し、必要なデータを取得するため登録されたMCPツールを自動で選択・並列実行します。

analytics-mcpGA4 API (月間ユーザー数/PV/回遊性データ)search-console-mcpSearch Console API (検索クエリ/掲載順位データ)
⬇️同じサービスアカウントの権限でGoogle APIから情報を取得し統合分析ANALYSIS OUTPUT

自律レポート生成

「本日はSNSからの流入が6割を占め、特定の画像生成プロンプトに関心が集中しています。一方、サーチコンソール上ではループエンジニアリングでの表示回数が増えており、次回はこのテーマで新規記事を追加することを推奨します。」

GA4・サーチコンソールとエージェントをつなぐMCP連携フロー
この連携システムでは、Google Cloud上に接続用のサービスアカウントを1つ作成し、そのアカウントにGA4とSearch Console双方の閲覧権限を付与します。 ローカルPC上のエージェントは、登録されたMCPサーバーを経由してこのサービスアカウントとしてGoogleのAPIを実行し、データを抽出します。 一度この配線を作ってしまえば、エージェントは検索クエリ(流入キーワード)と実際のアクセスPV数の両面から立体的な分析を行えるようになります。

Step 1 ─ サービスアカウントの作成とGA4の権限追加

まずは、APIの接続元となるサービスアカウントを作成し、解析対象となるGA4プロパティの閲覧権限を付与します。 サービスアカウントとは、プログラムやAIエージェントが人間の代わりにGoogleのAPIを実行するための専用の身分証明書(仮想ユーザー)です。

1. Google Cloudでのサービスアカウント作成

はじめに、Google Cloud Console にアクセスし、プロジェクトを選択するか、新規にプロジェクトを作成してください。 左メニューの「IAMと管理」から「サービスアカウント」をクリックします。 画面上部の「サービスアカウントを作成」をクリックし、サービスアカウント名(例: analytics-connector など)を入力したら「作成して続行」をクリックします。 次のロールの設定画面では何も選ばずに「続行」し、「完了」をクリックします。
一覧に「xxxx@xxxx.iam.gserviceaccount.com」という長いメールアドレスが表示されますので、これをクリップボードへコピーしておいてください。

2. 秘密鍵(JSON)のダウンロード

エージェントが認証を行うための鍵ファイルをダウンロードします。 作成したサービスアカウントの右端にある「操作(縦の3点リーダー)」から「鍵を管理」をクリックします。 「鍵を追加」から「新しい鍵を作成」を選択し、キーのタイプとして「JSON」を選んで作成ボタンをクリックしてください。 自動的に鍵ファイル(JSON形式)がPCにダウンロードされます。このファイルをプロジェクトフォルダの安全な場所に保存します。

3. Google Analytics (GA4) への連携

次に、GA4の管理画面を開き、左メニューの一番下にある設定(歯車アイコン)から「プロパティのアクセス管理」に進んでください。 右上の青いプラスボタンをクリックして「ユーザーを追加」を選択し、コピーしておいたサービスアカウントのメールアドレスを貼り付けます。 役割として「閲覧者」または「アナリスト」の権限を選択し、保存ボタンをクリックします。 これで、エージェントがプロパティID(9桁の数値)と先ほどのJSON鍵を用いてデータを取得する準備が整いました。
PROMPT / ADVICE💡 : メールアドレスの完全一致サービスアカウントのメールアドレスは非常に長く複雑なため、コピーミス(一部欠けなど)による認証エラーが頻出します。メールアドレスは必ずテキストとしてクリップボードへコピーし、そのまま登録画面に貼り付けてください。

Step 2 ─ Google Search Console API の有効化

次に、同じサービスアカウントを使ってサーチコンソールの検索パフォーマンスデータにアクセスできるように設定します。
Google Cloud Consoleにログインし、対象のプロジェクトで「Google Search Console API」の公式ライブラリページを開きます。 画面中央の「有効にする」ボタンをクリックしてください。これにより、サービスアカウントがAPI経由で Search Console のデータを参照することが許可されます。
続いて、Google Search Consoleの管理画面を開き、左メニューの「設定」から「ユーザーと権限」を選択します。 「ユーザーを追加」をクリックし、先ほどと同じサービスアカウントのメールアドレスを登録します。 このとき、権限は「フル」(またはオーナー)を選択して保存してください。これでデータアクセスの権限設定はすべて完了です。
PROMPT / ADVICE💡 : データ反映のタイムラグSearch Consoleのデータは、APIを有効化してから実際に反映されるまでに最大で24時間から48時間の遅延(タイムラグ)があります。連携直後に「データがありません」とエラーが出る場合は、少し時間をおいてから接続をテストしてください。

Step 3 ─ Search Console MCPサーバーの構築

権限の付与が完了したら、エージェントが実際に使用するローカルのMCPサーバーを立ち上げます。
なお、プログラミングに慣れていない方でも、このコードをご自身で手入力してファイルを作る必要はありません。 普段お使いのAIエージェントAntigravityClaude Codeなど)のチャット欄に「GA4とSearch Consoleに接続するためのMCPサーバーコードを書いて、フォルダの直下に search_console_mcp.py という名前で保存して」と一言指示するだけで、AIが自動でこのプログラムを執筆し、ファイルとして保存してくれます。
以下は、AIが自動で作成してくれるプログラムの最小構成例です。
以下のコードを `search_console_mcp.py` として実装します。
AI PROMPT / CONFIG
python
from mcp.server.fastmcp import FastMCP
import os
from google.oauth2 import service_account
from googleapiclient.discovery import build

mcp = FastMCP("SearchConsole")

@mcp.tool()
def get_search_keywords(site_url: str, days: int = 30) -> str:
    """指定されたドメインの検索クエリと掲載順位を取得するツール"""
    credentials = service_account.Credentials.from_service_account_file(
        os.getenv("GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS")
    )
    service = build("webmasters", "v3", credentials=credentials)
    
    # 検索パフォーマンスAPIを呼び出し、直近のデータをリクエスト
    request = {
        "startDate": "2026-06-18",
        "endDate": "2026-07-17",
        "dimensions": ["query", "page"],
        "rowLimit": 10
    }
    
    response = service.searchanalytics().query(siteUrl=site_url, body=request).execute()
    return str(response.get("rows", []))
PROMPT / ADVICE💡 : AIへの作成依頼プロンプト自分でファイルを作ってコードを貼り付ける手間は不要です。エージェントに対して「GA4とSearch ConsoleとMCPで接続するためのサーバーコードを作って保存して」とチャットで依頼してください。

Step 4 ─ 統合分析の自動化とエージェント指示

作成した `search_console_mcp.py` や `analytics_mcp.py` などのサーバーを、エージェントの設定ファイル( `mcp_config.json` )に追加して接続します。 これによってエージェントのチャット欄から、ブラウザを開くことなく解析コマンドを直接実行できるようになります。
たとえば、エージェントに「サーチコンソールで検索パフォーマンス上位に入っているページの中で、GA4での実PV数が伸び悩んでいるボトルネックページをリストアップし、流入クエリに基づいた改善レポートを作成して」と依頼します。 エージェントは自動で各APIからデータを取得・マージし、検索エンジンでの需要と実際のサイト内回遊状況を照らし合わせた高度な改善アドバイスを一発で書き出します。
PROMPT / ADVICE💡 : URLを貼り付けるだけで実装依頼もしこのMCP構成をエージェントに自動でセットアップさせたい場合は、エージェントに「この解説ページのURL( https://tek.jp/learning/prompt-9/ )の記述を読み取って、Search Console連携MCPサーバーを私のプロジェクト内に自動構築し、mcp_config.jsonへの登録まで完了させて」と指示してください。AIがWebページの内容をブラウジングして実装を代行します。
対話型エージェントに「データ分析の頭脳」と「APIデータ取得の手足」を同時に持たせることで、毎日のサイト運用やSEO対策の速度は劇的に向上します。

まとめ:AIと対話しながらサイトを育てる

GA4とSearch ConsoleをMCPAIエージェントに接続することで、アクセス解析の敷居は驚くほど低くなります。 複雑なレポート画面を行き来する時間から解放され、改善のアイデア出しやコンテンツの執筆に集中できるようになります。
この連携によって得られる最も大きな価値は、サイト改善のPDCAサイクルが圧倒的に高速化することです。 従来であれば数日かかっていた「課題発見 ➔ 要因分析 ➔ 改善案作成 ➔ 記事修正 ➔ デプロイ」という一連のステップが、AIとの対話によってわずか数分で完結します。 数値を見る作業が「苦痛な義務」から「AIとの楽しい対話による施策検討」へと変化し、日々の運用が格段に面白くなります。
AIエージェントは単なるデータ抽出ツールではなく、データを元に次の施策を共に考える頼もしいパートナーです。 ぜひこの自律的な分析環境を構築し、サイトの成長を加速させていきましょう。

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