主要調査会社が発表した2026年第3四半期(7〜9月期)の市場統計によると、世界におけるパソコン(PC)の出荷台数が前年同期比で約20%の大幅な落ち込みを記録したことが明らかになりました。
AI機能を内蔵した「AI PC」の本格普及によって市場の回復が期待されていた矢先の急減速であり、業界関係者に大きな衝撃を与えています。
出荷減の主因として挙げられているのが、AI向け半導体需要の急伸に伴うメモリおよびストレージ関連部材の記録的な価格高騰です。
大手ハイパースケーラー各社が次世代データセンターの構築に向けて最新DDR5メモリ、高帯域幅メモリ(HBM)、大容量エンタープライズSSDを優先調達した結果、民生用PC向けサプライチェーンに深刻な供給逼迫が発生しました。
これにより完成品PCの製造原価が急上昇し、店頭価格が軒並み引き上げられたことで、一般消費者や中小企業の端末買い替え需要が急速に冷え込みました。
また、オンデバイスで自律AIを快適に動作させるために求められるシステム要件(16GB〜32GB以上のメインメモリ搭載など)がハードウェアの購入ハードルをさらに押し上げています。
AI産業の急速な設備投資がもたらす部材の奪い合いが、コンシューマー向けのエレクトロニクス市場全体に予期せぬ歪みを生じさせています。
サプライチェーンの偏在とコスト高を克服できるかどうかが、AI PCの真の普及とPC市場回復に向けた最大の焦点となっています(一次ソース:IDC Worldwide PC Tracker / Gartner Market Research)。
