米国の証券・資産運用大手であるCharles Schwab(チャールズ・シュワブ)は2026年10月、Metaの「Muse」をはじめとするサードパーティ製の外部自律型AIエージェントが、顧客の委任を受けて口座へアクセスし資金移動や証券取引を実行しようとする通信を全面的に遮断(ブロック)していることを明らかにしました。
近年、ユーザーの画面を認識してブラウザやアプリを自動操作するコンピュータ操作型(Computer-Using)の自律エージェントが急速に普及しており、「自分の口座から別の高金利口座へ資金を移しておいて」といった自然言語の指示だけで金融手続きを代行させる使い方が広がりつつありました。
しかし金融機関の視点からは、アクセスしてくる通信が「正規の顧客から委任されたAI」なのか「悪意ある攻撃者のボット」なのかを技術的に判別することが極めて困難であり、さらにAIのハルシネーション(幻覚)やプロンプトインジェクション攻撃によって意図しない巨額送金や誤発注が引き起こされた際の法的責任の所在が曖昧であるという深刻な問題が存在していました。
こうしたリスクを受け、チャールズ・シュワブのデジタル部門責任者は、顧客の資産安全性を最優先するため外部の自律型エージェントによる自動ログインおよび資金移動の試みを検知・遮断する防衛措置を講じたと説明しています。
一方で同社は、自社の厳格なセキュリティ境界と監査ログの統制下で稼働する独自の生成AIアシスタント「Charley(チャーリー)」を展開しており、口座データの分析や定常手続きの支援を自社製AIに限定して提供する方針を明確にしました。金融業界において「外部の野良エージェントは遮断し、自社統制下のAIのみを許可する」という新たなセキュリティ原則が急速に定着しつつあります(一次ソース:Charles Schwab 公式発表)。
