米Anthropicのサイバーセキュリティ・レッドチーム研究グループは2026年10月18日、最先端の大規模言語モデルがサイバー攻撃に悪用された場合、自律的に増殖・分散潜伏を繰り返す「AIワーム(自己複製型AIマルウェア)」が出現する危険性が現実味を帯びているとする緊急評価レポートを公表しました。
レポートによると、現行のフロンティアモデルが備える自律的な環境認識能力とコード修正能力の進化速度を分析した結果、早ければ今後数か月以内に、人間による遠隔指示を介さずに自ら標的ネットワークを探索して感染を広げるマルウェアが技術的に成立すると試算されています。特に警戒すべき対象として挙げられているのが、家庭やオフィスのスマートテレビ、Wi-Fiルーター、スマート家電などの低電力IoT機器群です。
これらの小型機器は計算リソースやメモリが極めて限られているため、単独で高度なAIモデルを実行することは困難です。しかし、攻撃側がモデルの実行フットプリントを極限まで分割し、複数の感染端末に分散して協調動作させる手法を取ることで、セキュリティ監視網をかいくぐりながら長期潜伏が可能になると指摘されています。感染した機器群が自律的に脆弱性を突いて社内LANの深部へ侵入するシナリオも現実的な脅威として提示されました。
研究チームは、こうした次世代の自律的サイバー脅威を防ぐため、AIモデルの出力に対する安全ガードレールの強化にとどまらず、エージェントが動作するOSやネットワーク環境自体の物理的な隔離基準を国際標準として策定することが不可欠であると結論付けています(一次ソース:Anthropic Research 公式レポート)。
