米マイクロソフトの脅威インテリジェンス部門は2026年10月22日、中国政府の支援を受けているとみられるハッカー集団「Storm-0940」が、自律型AIエージェントを悪用して世界数百の組織に大規模な自動サイバー攻撃を仕掛けていたと発表しました。航空宇宙、防衛、政府機関、半導体、金融など重要インフラ分野を中心に、2,250を超えるMicrosoft 365テナントが標的となりました。
マイクロソフトの解析によると、攻撃者は本来セキュリティ診断向けに開発されたGo言語ベースのオープンソースAI侵入テスト基盤「ARTEX」を兵器化して運用していました。クラウドバックアップソフトのサプライチェーン侵害を足がかりに、AIエージェントが毎分最大2,900回という機械速度で認証試行やOAuthアプリの悪用を自律的に繰り返していたことが確認されています。
最も深刻な脅威として指摘されたのは、攻撃速度の劇的な短縮です。従来は人間のハッカーが数日から数週間かけて行っていた偵察、認証情報の窃取、権限昇格、そして永続化までの全工程をAIが人手を介さず自動遂行し、初期侵入からクラウド全体の管理者権限を奪取するまでをわずか3時間未満で完遂した事例が報告されました。
大半の不正アクセス試行は防御機能によって遮断されたものの、一部の組織では実際に特権アクセスを奪われる被害が発生しています。国家背景の攻撃集団が自律型AIを実戦投入し、人間の監視が追いつかない速度で侵入を完了させる段階に入ったことで、防衛側にもAIを用いたリアルタイム自動遮断の導入が急務となっています(一次ソース:Microsoft Security 公式ブログ)。
