「ロックンロールの王様」として知られる故エルヴィス・プレスリーの知的財産権を管理する米Authentic Brands Group(ABG)傘下の権利保有組織および音楽出版各社は2026年10月24日、対話型AI「Claude」の開発元であるAnthropicを相手取り、米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所に著作権侵害訴訟を提起しました。
訴状によると、Anthropicは『好きにならずにいられない(Can't Help Falling in Love)』や『冷たくしないで(Don't Be Cruel)』、『監獄ロック』など、プレスリーの象徴的な楽曲274曲の歌詞および楽曲構造を権利者の許諾なく複製し、Claudeの訓練データとして使用したとされています。
さらに原告側は、学習段階の無断利用だけでなく出力段階のガードレールの不備も厳しく追及しています。利用者が「現代の聴衆向けに書き換えて」といった簡単な指示を与えるだけで、Claudeが安全制限をすり抜け、プレスリーの原曲に酷似した歌詞や曲構成を無断で生成してしまう実例が証拠として提出されました。
原告はデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく著作権管理情報の除去や技術的保護手段の回避も主張しており、1曲あたり最大15万ドル、総額で約4100万〜4800万ドル(約63億〜74億円)の法定損害賠償を求めています。大手音楽出版社による集団訴訟に続き、伝説的アーティストの遺産管理団体が単独でAI開発企業を訴えた初の大型事案として、エンターテインメント業界全体の注目を集めています(関連リンク:Authentic Brands Group 公式サイト)。
