米Metaの基礎AI研究部門(FAIR)は2026年10月27日、スマートグラスなどのウェアラブル端末や家庭用ロボットに搭載する自律型エージェントの開発・評価基盤「InteractiveWorld」を発表しました。人間の目線と同じ一人称視点(エゴセントリック視点)で周囲の空間を認識し、物理的な環境に働きかける「身体性AI(Embodied AI)」の実力を精密に測定するための3Dシミュレーション環境です。
従来のマルチモーダルAIのベンチマークは、画面に映った画像や映像を見てテキストで質問に答える「受動的な理解」の評価にとどまっていました。これに対し、NVIDIAのIsaac SimおよびOmniGibsonをベースに構築されたInteractiveWorldは、キッチンやリビング、オフィスなどのリアルな3D空間内で、AIと人間が交互に物体を動かしたり家電を操作したりする120種類の双方向タスクを備えています。
最大の特徴は、AIがもっともらしい説明を返したかどうかではなく、引き出しを開けて指定の道具を取り出す、散らかったテーブルを整理するといった行動の結果として「物理空間の状態が目標通りに変化したか」を直接採点する仕組みにあります。利用者の曖昧な指示や途中の状況変化に追従しながら、安全かつ正確に作業を補助できるかが厳密に問われます。
Metaはスマートグラス製品群を次世代の主力コンピューティング基盤と位置づけており、本環境のオープン公開によって、視覚と物理空間の理解を兼ね備えた次世代アシスタントAIの研究開発を業界全体で加速させる狙いです(一次ソース:Meta FAIR 公式GitHub)。
