特許庁(JPO)は2026年10月30日、特許行政の審査・審判・方式・バックオフィス業務の全般にわたって生成AIおよびAIエージェントを本格実装するための具体的な工程表となる「特許庁業務変革ロードマップ(暫定版)」を公表しました。従来の個別ツールの試験検証フェーズから脱却し、業務基盤そのものをAI前提で再設計する方針を打ち出しています。
審査業務においては、AIがすべての判断を代行するのではなく、審査官の認知工程を細分化して補助する「AIワークベンチ」として組み込まれます。具体的には、外国文献への分類コード自動付与や、審査対象の発明と過去の引用文献との「一致点・相違点の対比表」の自動生成、さらには拒絶理由通知書の起案文作成や品質チェックまでをAIが支援し、最終的な判断と責任は必ず人間の審査官が担う仕組みを徹底します。
また、出願公開されたばかりの技術や未公開の機密情報を安全に取り扱うため、インターネットから完全に切り離された庁内閉域網にオンプレミス型のAI基盤サーバーを2026年度中に構築し、2027年度から本格運用を開始する計画です。
さらに注目すべき点として、民間企業や弁理士が使う外部のAIエージェントから特許情報APIへスムーズに接続できるよう、共通規格「MCP(Model Context Protocol)」を用いたサーバーの構築に向けた調査を2026年度中に実施することも明記されています(一次ソース:特許庁 公式発表)。
