米OpenAIは2026年11月4日(現地時間)、開発中のサイバーセキュリティ特化型フロンティアモデルを組み込んだ自律監査パイプラインの実験報告「A thousand fewer paths to root」を公開し、わずか30時間の連続稼働でLinuxカーネルの実在する脆弱性1,724件を自律的に発見・再現したと発表しました。
この実験では、複数のAIエージェントが役割を分担し、まずコード解析エージェントが2,308件の脆弱性候補を洗い出しました。続いて検証エージェントが隔離された仮想マシン環境内でテストを実行し、そのうち1,724件のバグをプログラム的に再現することに成功しています。
さらに衝撃を与えたのは、発見した脆弱性のうち948件について、標準的な防御機能(KASLRやSMEP/SMAPなど)が有効な最新のLinuxデスクトップ環境において、一般ユーザー権限からシステム最高権限(root)を奪取できる実動エクスプロイト(特権昇格コード)と、それを塞ぐ修正パッチの双方をAIが独力で生成した点です。
30時間の稼働に要したAPIクレジット総額は約121万3,000ドルで、実動する特権昇格コード1件あたり約1,279ドル(約19万円)という極めて低いコストで算出されたことになります。OpenAIは、攻撃者が同様の能力を手にする前に、オープンソース基盤の重大な弱点をAIで先回りして塞ぐ防衛体制が急務であると強調しています(一次ソース:OpenAI 公式発表)。
